引き継がれる伝統文化

国重要無形民俗文化財 根知の延年(おててこ舞)

 根知山寺のおててこ舞(国の重要無形民俗文化財指定)山寺日吉神社に伝わるおててこ舞(延年の舞)とは寿命を延す。長生きをすると言う意味の舞であります。平安末期から鎌倉時代に行われた芸能の名で、寺院に於いて法会(ほおえ)の後に余興(よきょう)として遊僧によって演じられたもので、「おててこ舞」と称せられる舞は露の舞・若衆の踊・扇車・四節踊・三国踊・百六踊の六曲から成っていると言われます。
山寺金蔵院にある寛永2年(約400年前)の古文書によれば、「おててこ舞」の伝わってきた経路は関西から隣国信濃国に入り、それから安曇族によって根知に伝来したと言うのが一般的に語り伝えられている事柄です。国の重要無形民族文化財に指定され、吾が郷土根知の文化の古さと尊さを感じます。


根知のおたなばた

 七夕は五節句のひとつとして、宮中では「しちせき」と呼ばれていました。「たなばた」と呼ばれるようになったのは、祖先の霊を祭るため捧げる布を織る女性を「棚機つ女(たなばたつめ)」と呼んだことが由来といわれています。
 中国神話が元といわれる七夕の物語には織姫と彦星が登場しますが、根知の「おたなばた」は、「嫁さん・婿さん」がいて、他に「荷かづき」などの人形が、一本のしめ縄で飾られています。一般的な笹に短冊などを飾り付ける「七夕飾り」とは趣を異にしています。
 糸魚川市史では、「何時ごろ始めたか不明であるが、相当古いらしい。」とあり、星祭的色彩は無く、♪かいもちかんてございの♪と唄われることから、七夕(陰暦8月)のころ豊作祈願を子供に託したのが根知谷の「おたなばた」の由来ではないかと、くくっています。
 いにしえの根知の人たちの、豊作を静かに願う気持ちを想像しながら、七夕流しに参加してみませんか。


才の神

 サイの神とは、1月15日の小正月行事。切り出した栗の木にワラをくくりつけ、夜に火を付け、その火に、一年の無病息災を祈る祭です。特に厄年の人は、厄払いの意味も込め、御神酒を献上します。また、サイの神の一番上に付けた書き初めが、高く燃え上がれば習字が上手になると言われています。